2006年10月

つつましい輝き

 くんちゃん

 ごめんなさい。

 なんだかうまく言葉が出てこない。

 近ければ近いほど、遠くに感じます。

 あっさりとしたさようなら。

 からだはひきさかれそうですが。

 “私はこんなにも遠くまで来てしまった。”

 誰かの言葉がわかる気がする。

 今まさに何が始まっていて、どうなってゆくのか。

 誰にもわからないのです。

 今度図書館に行ったら、くんちゃんの本を探そう。

 つつましい輝きにふれたいよ。

 

Swiss miss Hot Chocolate Vanilla Tasteと忘れかけてた記憶のジオラマ


 最近、ある人と時々会って話したり出かけたりする。

今の私にとって、特別な人の一人だ。

 今日はその人が家に来て、勉強したり、お互いのことを話したり、「11ぴきのねこ」を読んだりしていたのだけれど。
 
 一本の缶コーヒーと、一杯のシチューと、一杯の烏龍茶と、一杯のバニラ風味のSWISS MISS HOT CHOCOLATE。

 私が、誰かと“出会う”ためには、ひとつ、話さないといけないことがある。

 その話を出来て初めて、その人と本当に距離感を持って関われる気がする。

 その話を、相手がどう受け止めるかを伺っているような気もする。

 その話、というのは詳しくはここには書かないけど、

 少しだけ言えば、家族のことだ。

 

家族のことを楽しそうに話す人が世界にはたくさんいるんだけど、
 
 私はそんな人とは対照的で、

 家族の話は苦手だった。 

 そもそも、自分の話は苦手なのだ。

 「ゆかりって、自分の友達の話、あんまりしないよね。」

 そんなふうに大学の時に言われたことがあった。どきりとした。

 それから、話さなきゃって思って無理やり思考回路を回転させてたこともあったっけ。

 所詮、無駄な努力だった。

 言葉が見つからない。



 話を戻すと、今夜は、その人と、その話を初めてした。

 なんとなく、そんな予感がしたけど、

 その人もまた、私と似たような道を辿っていた。
 
 そして、その道中で、同じことを感じていた。
 
 健全な肉体に、健全な魂。

 そんな言葉がぴたりとあてはまりそうな人だから、

 少し驚いた。
 
 でも、ちょっとだけ、

 やっぱり、と思った。



 やさしすぎるのは、あなたの方です。

 山田詠美の「ぼくは勉強ができない」の一節を思い出す。

 私達は、持たざるを得なかった「角」をこんなに丸くしたんだね。

 酸性の涙がとかしてしまった記憶。

 空っぽの欄から染み出る惨めさと、周囲の暗黙の同情。



 もう、今となってはどうだっていいことなんだけど。


 
 それでも、自分の中で、子どもの頃から成長していない部分があるのを知っていて、ときどき思い出して、その部分に問いかけてみる。

 自分の謎を解くために。

 チャラの歌が2人の遠くで鳴っていた。

 「長居してごめんね。」というあなたは礼儀正しすぎます。

 夜の底に一緒に落ちてゆきたいけど、明日はお互い仕事だから。

 “Can I hug you?”

 アメリカにいた頃、Special Educaction のクラスルーム。そう言って、必死で自分と戦っている子どもを抱きしめた先生に涙した。

 ハグなしのお別れは、ルール違反だから。ね、エリカ!





 
おやすみ
 
 
おけらりょうた

すなつぶ まくらに
めをつぶって
ちっちゃなこえで
いったんだ
ーおやすみなさい ちきゅう
そしたら
おなかのしたから
しずかなこえが
きこえたんだ

ーあさまでだいててあげよう

わあい こんやはよくねむれるぞ

 

 くどうなおこさん。すてきすぎます。のはらうた。バイブルです。
 
 そう、私は地球になりたい。まあるい、まあるい地球に。

 地球のことを考えている人にも、考えていない人にもやさしくしたい。

 そんな人になりたい。

 「そんなん絶対許さん!」と言って、私はいっつも子ども達を叱るけど、

 心の中では、いつだって、許しているんです。

 そして、静かに、誰にも関係なく生きたくなる。

 こんなに罪深い職業から離れて、

 他人としていきたくなる。

 責任を逃れて。
 
 でも、それが一番無責任なんだよね。だから、

 罪を犯してもいいから、

 何かの役目を果たそうと。

 そうして、今、この道を歩んでいる次第です。



 罪深い人生を送ってきました。いつもそういいたい。

 誰に懺悔すればいいの?

 私の父親だけど、家族ではないあの人は、そんなことを考えただろうか?

 





 もう、今夜は眠るのはやめた。君がとなりにいるときに、今日の分も眠ることにします。

 コーヒー アンド シガレッツ。

 ありがとうね。 

 

  

わきあがるプロジェクトと高速回転しだした私のエンジン

 第2回ダンスワークショップ。

 ひろさんと私で、土曜日の午前のダンス教室をうちの小学校の体育館で行った。

 うちの学校には、学習塾やお稽古事をしている子が圧倒的に少ない。

 経済的に苦しい家庭が多いからだ。

 だから、こうして土曜日にダンス教室をすると、「ひまやし」とか言いながら、結構たくさんの子がやってきた。
 
 今日は、なかなか集中力が続かない子どもたち。

 そこで、コンテンポラリーダンスのワークショップで仕入れたネタをいくつかやってみると…

 抜群にウケた!へ~!コンテも結構いけるね。

 しめしめ、と心の中で不敵な笑みを浮かべつつ、昼からは兵庫へ。

 小野と加古川で1時間半ずつのレッスン。

 道中で、ひろさんと一緒に、教育談義。

 しかし、それは学校の枠を超えた、あっさりと。

 教育は学校だけでやるものじゃない。

 私は、学校ではできないことを、もっとやっていきたい。

 そして、ひろさんといっぱい夢企画をあげた。

 一日ダンス出張で、色んな地域の子どもたちにダンスを教えたりさ。

 どろんこサッカーとか、自然体験とかの活動をやったりさ。

 通学合宿もやりたいし。

 学校を飛び出してさ、生涯教育のフィールドにふれながら活動していきたいよねって。

 最近ほんとにそれを思うんだ。

 感性だよ。

 「考えることは、感じることに満たない。」と言った芸術家がいるって、ひろさんは言ってたけど、そのとおりだよ。
 
 学校で6年勉強するより、3泊4日のキャンプに行くほうが、人生に影響を与える出会いがあったり、揺さぶりがあったり、価値観の転換があったりするんだ。

 実際、自分もそうだった。
 
 私が本当にやりたいことは、そういうことかもしれない。

 ただし。

 「経済的に恵まれないこどもたち」や、「社会的に弱い立場にあるひとたち」に向けてそれを行いたい。

 お金があって、自由にキャンプに行ったり、お稽古事をしたりできる人びと。そういう人達には興味はない。

 ダンスの師である大濱先生が、「若い頃、里親を求める児童施設でダンスを教えたいと思って働きかけたことがあったわ」って、熱く語ってくださった。

 共鳴した。

 そうです。私も、同じ想いを抱いている。

 ダンス。その生命を躍動させる営み。

 それが一番必要なのは、

 「生」に肯定的になれない人びとじゃなかろうか。

 ダンスでも、演劇でも、音楽でもいい。表現することで、人は生き返る。活きかえる。

 そう信じてやまないから。

 だから私は・・・・

 絵本の世界にとびこみたい。

 歌を歌おう。踊りを踊ろう。おいしいものをつくって食べて、そしてみんなでお昼ねしよう。

 わたしたちはひとりぼっちだけど、
  
 自分で自分を幸せに出来るはず。

 だから、表現しよう。

 私は・・・

 自分の中で、急速に何かが回転し始めている。

 こうなったら、もう私のペースだ。何も怖くない。

 いつだって怖いのは自分自身が何かを見失ってしまうこと。それだけ。

 待っててください。もうすぐ私は。

 職業 小学校教諭 ではなく、

 職業 藤原由香里 であるために。

 寺山修司がかつてそう名乗ったように。

 コネクトしてきたぞ。世界が。

 らっちゅらっちゅちゅ~~~~~
 
 

ダンスが育む生命力!

 平日は学校と家との往復の日々だったけど、今日からは違う。

 毎週水曜は、コンタクト・インプロヴィゼーションワークショップの日。

 初めての今日。いろいろ学校であった問題で、少し遅れて到着。

 2人のからだの語り合いから始まる無言の即興表現。

 これだ~って感じがする。

 自分の探してきたダンス。ほんっとに楽しい。

 自分が話しかければ、相手が答える。そのからだのキャッチボールが、心地よく、新しい自分を引き出してくれる。

 どんどん気持ちが高まっていく。相手の動きと自分の動きの波長があってくる。一人でおどる即興より、ずっと楽しい。そこには、どこに向かうのかわからない、未知なる出会いの曲線が永遠に続いている。

 コンタクト。

 終わったあと、ナビゲーターの坂本さんと少し話した。

 「教師にしとくのはもったいないなあ。」
 
 そんなん初めて言われて、単純に感激。はい、私、もっと踊りたいです。よし、12月まで、がんばって通おう。そう、心から思えるワークショップだった。気持ちよすぎた。幸せだな~。

 学校でも、今日はダンス&音楽DAY.アフリカンパーカッションのナベガンチさんに来てもらって、あいさつがわりに4年生もダンスを披露。なかなか好評で盛り上がる。

 その後は、ナベガンチさんのパフォーマンス。

 も~かっこいい!ジャンベのリズムにのって、おどるおねえさん。

 4-2の男子たちを見ると、うずうずしているのがわかる。

 「踊り~や」って声かけると、「え?先生、たってもいいん?」

 「もちろん、踊り踊り~~!!」

 もう、ファンタスティックなダンサーばっかりのうちのクラス。音楽に合わせておどり狂う。あ~、こどもとダンスするの、めっちゃ楽しい。大好き。

 いい意味で、一緒にお馬鹿になれる瞬間。絶対、大事だよね。楽しいことをするときには、大人も子どもも対等なのだ。

 基本は遊びだもん。そうそう。

 今日は昼休みも全員でドッジ。

 「●●くん、かっこえ~~」

 ファインプレーに黄色い悲鳴。私も、そうとうバカだな。でも、子どもにめろめろなんです。

 もっともっと遊びたいな~~遊々と暮らそうじゃないか!

 生命力キラキラ。そんな子どもになってほしいな。

 それでも世界は美しいから。

 自分だけの太陽を、胸に輝かせる人になってほしい。

 お外が雨でも、ひとりぼっちでも。

 世界がどんなに複雑になろうとも。

 大切なことは、単純で、かわらないはずだから。

11ぴきのねこの仲間になりたいときもある。

 何をしてもだめな日がある。

 目にする全てが自分を責めるように思う。

 自己嫌悪の増幅作用。

 たったひとつ、救いになったのは、

 糸井先生が貸してくれたアルバム。

 Keith Jarrett. 夜の教室に響かせながら、こもって仕事。子どもの文章に向き合う。



 今日は、みんな、元気がなかったように思った。出会う人全てが。

 怖い、と思うと、もうだめだ。怖気づいて、様子を伺ってしまう。自分自身の描き出した虚像と不安が、勇気なんかかきけして、笑顔を奪っていく。

 こんなじゃだめだ。だめなのに。

 人の心が見えにくい。

 そうすると、姿さえ直視できなくなる。


 すべてが終わる。いつも迎えてくれるのは夕陽。

 「この学校ほど、夕陽がきれいな学校はないんです。」

 今日の夕陽は、蛍光ピンクだった。

 11ぴきのね~こ!!!!!!

 今年の秋は猫、猫、猫の予定。

 音楽も、図工も猫、猫、猫!!!

 にゃ~ごろソング。

 明日は私にとって、ひとつの始まりの日だ。

 く、く、く、くもにおいつけ~~~ぷ~ぷ~は~~
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